転職先を選ぶとき、「有名企業だから」「雰囲気が良さそうだから」「年収が上がるから」だけで決めてしまう人は少なくありません。
もちろん、それらも大事です。ただ、長いキャリアで考えるなら、もう一つ持っておきたい視点があります。それが「株式会社自分」の経営者として会社を選ぶという考え方です。
「株式会社自分」とは、自分の市場価値を経営する感覚
会社員であっても、自分のキャリアまで会社に預ける必要はありません。自分自身を一つの会社だと考えれば、転職先は「取引先」や「成長環境」に近い存在になります。
そこで見るべきなのは、会社名の大きさだけではありません。
- この会社で市場価値の上がる経験が積めるか
- 今後ほしいスキルを身につけられるか
- 目指したいロールモデルがいるか
- 自分も会社に対して価値を返せるか
採用側は「成長したい人」より「価値を出せる人」を採りたい
求職者側は「この会社で成長したい」と考えます。一方、企業側は給与を払い、採用費や育成費も負担します。当然ながら、「入社後に何を返してくれる人なのか」を見ています。
ここが会社選びで見落とされやすいポイントです。自分が得るものだけではなく、自分が相手にどんなバリューを出せるかまで考えられる会社のほうが、結果的に活躍しやすくなります。
同じ仕事を繰り返すだけなら市場価値が下がることもある
「今の仕事には慣れているし、特に困っていない」。この状態は楽ですが、数年後も同じ経験しか増えていないなら注意が必要です。
年齢が上がるほど、企業は経験年数だけでなく「その年数で何ができるようになったのか」を見ます。5年間同じ仕事をしたことと、5年間で役割を広げたことは同じではありません。
会社選びで確認したい4つの質問
1. 3年後に何ができるようになっているか
仕事内容ではなく、身につく能力で考えます。マネジメント、企画、顧客折衝、専門スキルなど、次の市場でも通用するものが残るかを見ます。
2. 自分より一歩先を走る人がいるか
ロールモデルがいる環境は、成長の解像度を上げてくれます。
3. 自分の強みを使えるか
未経験領域への挑戦でも、過去の経験がまったく使えない転職は立ち上がりコストが高くなります。
4. 会社に何を返せるか
「学ばせてもらう」だけではなく、自分の経験を使ってどんな成果を作れるかまで考えます。
NG例とOK例
NG:「有名企業だし福利厚生も良いので入りたい」
OK:「今後はプロジェクト推進力を高めたい。この会社では複数部署をまたぐ案件を経験でき、自分の顧客折衝経験も活かせる」
後者のほうが、本人にとっても企業にとっても転職理由がつながっています。
まとめ
会社は人生そのものではありません。だからこそ、「この会社に入れるか」だけではなく、この会社を通じて株式会社自分の価値がどう変わるかまで考えてみてください。
市場価値が上がるか。得たいスキルが得られるか。ロールモデルがいるか。そして、自分も価値を返せるか。この4つを持っておくと、会社選びの軸はかなり強くなります。