面接での年収の伝え方|3パターンのテンプレート
面接で「希望年収はいくらですか?」と聞かれたとき、金額だけを答えるべきか、現年収を基準にするべきか、迷う方は多いと思います。
希望年収は、企業にとって単なる条件確認ではありません。自社の給与レンジに収まるか、候補者が自分の経験・役割をどう捉えているか、入社判断で年収をどの程度重視しているかを確認する材料にもなります。
この記事では、採用人事と転職エージェントの両方を経験した立場から、状況別に使いやすい3つの回答パターンを紹介します。なお、以前掲載していた「60.5%」「76.9%」というアンケート数値は、出典を十分に確認できなかったため削除しました。
なぜ企業は希望年収を聞くのか?【企業側の意図】
人事や面接官が確認したいのは、金額だけではありません。主に次のような点を見ています。
- 自社の給与レンジと大きくズレていないか
- 経験・スキル・役割に対する自己認識が現実的か
- 年収以外に何を重視して転職しているのか
- 提示条件次第で辞退する可能性がどの程度あるか
企業側から見ると、希望額そのものよりも「なぜその金額なのか」を説明できるかが重要です。希望年収は一方的に要求するものではなく、仕事内容・期待役割・評価制度と合わせてすり合わせるものだと考えてください。
① 年収を下げてでも入りたい場合
年収より仕事内容や経験を優先したい場合でも、「いくらでも大丈夫です」と言う必要はありません。自分の最低ラインは持ったうえで、志望度と柔軟性を伝えます。
現職とのバランスを考えると○○万円程度を希望しております。
ただ、それ以上に御社の事業内容や今回のポジションに魅力を感じています。
仕事内容や期待される役割、評価制度も踏まえ、最終的には御社の規定に沿って柔軟に相談できればと考えております。
採用側の見方:「年収は気にしません」とだけ答えると、本音が分からず、後から条件面で辞退されないか不安になることがあります。希望額または最低ラインをある程度示した方が、企業も話を進めやすくなります。
② 年収を上げたいが、強く言いすぎたくない場合
年収アップを希望すること自体は問題ありません。ただし、現在の年収だけでなく、これまでの経験や今回任される役割とセットで説明すると納得感が出ます。
これまでの経験と成果、今回想定されている役割を踏まえ、○○万円程度を希望しております。
一方で、実際の職務内容や期待値、御社の評価制度も踏まえて決まるものだと考えていますので、柔軟に相談させていただければと思っています。
エージェント側の補足:企業へ推薦するときも、「本人の希望は○○万円です」だけより、「この経験・役割を踏まえて○○万円を希望している」と説明できた方が企業と調整しやすくなります。
③ 市場相場を意識して伝えたい場合
市場相場を根拠にする場合は、「ネットで見た平均年収」だけで決めないことが大切です。同じ職種でも、企業規模、業界、役割、マネジメント有無、専門性によって提示可能額はかなり変わります。
現職の年収と、これまでの経験に近いポジションの水準を踏まえると、○○万円前後を一つの目安として考えています。
ただ、御社での具体的な役割や期待値を伺ったうえで、最終的には評価制度に沿って相談させていただければと思っています。
希望年収で避けたいNG回答
- 「御社にお任せします」:本音や入社可能ラインが見えず、企業が条件を判断しにくい
- 「今より上がるなら何でもいいです」:仕事内容より年収だけを見ているように受け取られる可能性がある
- 「業界平均でお願いします」:自分の経験・役割との接続がなく、希望額の根拠として弱い
- 求人票の上限額をそのまま希望する:上限額は、その求人で想定する最高水準の経験を持つ人向けに設定されている場合もある
転職エージェントには希望年収を正直に伝えていい
企業との面接では言い方を調整した方がいい場面がありますが、転職エージェントには「希望」「最低ライン」「理想」の3つをできるだけ正直に伝えてください。
たとえば「理想は800万円、現実的には750万円以上、700万円を下回るなら転職しない」と分かっていれば、エージェント側も求人選定や企業との条件調整がしやすくなります。逆に本音が分からないまま選考が進むと、内定後に条件が合わず双方の時間を無駄にしてしまうことがあります。
まとめ|金額+根拠+柔軟性で伝える
希望年収を聞かれたときは、必要以上に遠慮する必要も、強気に押し切る必要もありません。
- 希望する金額またはレンジを伝える
- なぜその水準なのかを経験・役割と結びつける
- 仕事内容や評価制度を踏まえて相談する姿勢を示す
採用側が知りたいのは、「この人をいくらで採るか」だけではありません。その金額で本人が納得して長く働けそうか、任せたい役割と期待値が合っているかまで含めて確認しています。希望年収は、条件交渉というより相互理解のための情報として伝えるのがおすすめです。