※本記事には一部PR・アフィリエイトリンクを含みます。

「日本の職務経歴書は、何を書けばいいのかわからない」

外国籍の方の転職では、職務経歴書の作り方でかなり差が出ます。

海外ではレジュメを1〜2ページで簡潔にまとめることも多いですが、日本企業の中途採用では、どんな会社で、どんな役割を担当し、何を工夫し、どんな成果を出したのかまで確認されることが多いです。

特にITエンジニアの場合、技術名だけを並べても評価されにくく、プロジェクトの規模、担当工程、自分の役割、日本語での業務経験まで伝えることが重要です。

この記事では、採用人事とIT職種特化の転職エージェントの両方を経験した立場から、外国籍の方が日本企業向けに職務経歴書を作るときのポイントを解説します。

外国人の職務経歴書で企業が見ていること

採用担当は、職務経歴書から主に次の4つを確認しています。

  • 求人要件に合う経験があるか
  • どのレベルまで一人で任せられるか
  • 日本語で業務を進められるか
  • 転職理由やキャリアに一貫性があるか

つまり、職務経歴書は単なる経歴一覧ではありません。

「この人を採用したら、入社後にどんな仕事を任せられるか」を企業が判断するための資料です。

外国人の職務経歴書でよくあるNG例

NG例1:会社名と期間しか書いていない

NG例:
2023年4月〜2025年3月 A社 Software Engineer

これだけでは、何をしていたのかわかりません。

改善例:
2023年4月〜2025年3月 A社 Software Engineer
ECサービスのバックエンド開発を担当。Java/Spring Boot、AWSを使用。詳細設計、実装、単体テスト、コードレビューを担当。5名チームで開発し、チーム内の会議・チャットは日本語で実施。

ここまで書けると、企業側は業務レベルを想像しやすくなります。

NG例2:技術名を並べるだけ

NG例:
Java / Python / AWS / Docker / GitHub / MySQL

スキル一覧は必要ですが、それだけでは「どの技術を、どの程度使ったのか」がわかりません。

Javaを3年間メインで使った人と、研修で1か月触った人では評価がまったく違います。

改善のポイント:

  • 使用期間
  • 実務での利用有無
  • 担当した機能
  • 自分で設計・判断した範囲

まで書くと伝わりやすくなります。

NG例3:「参加しました」「担当しました」だけ

採用側が知りたいのは、参加した事実だけではありません。

何を任され、どう動き、どんな成果を出したかです。

NG例:
新機能開発を担当しました。

改善例:
決済機能の改修を担当。既存仕様を整理し、API設計から実装・テストまで対応。レビュー指摘の削減を目的にチェックリストを作成し、チーム内で共有。

具体的な数値がなくても、「何を改善したか」「どう工夫したか」は書けます。

ITエンジニアはプロジェクト単位で整理すると伝わりやすい

外国籍エンジニアの場合、職務経歴書はプロジェクトごとに整理すると採用側が理解しやすいです。

たとえば、次の項目を入れます。

  • プロジェクト概要
  • 期間
  • チーム人数
  • 自分の役割
  • 担当工程
  • 使用技術
  • 具体的な業務内容
  • 成果・工夫
  • 業務で使用した言語

特に「業務で使用した言語」は、外国籍候補者にとって大事です。

JLPT N2でも、現職で会議・チャット・レビューを日本語で行っているなら、企業の不安を減らす材料になります。

日本語力については、JLPT N2でも日本で転職できる?採用担当が見る日本語力と面接対策も参考にしてください。

自己PRは「性格」より仕事の再現性を書く

自己PRで「私は真面目です」「責任感があります」とだけ書く人は少なくありません。

ただ、採用側からすると、仕事でどう発揮されたのかがわからないと評価しづらいです。

NG例:
私は責任感が強く、最後まで仕事をやり切れます。

改善例:
障害対応では、原因調査だけでなく再発防止まで担当しています。過去にはログ確認手順を整理し、チーム内の調査方法を統一しました。問題が起きた際は、関係者へ早めに共有しながら対応することを意識しています。

この方が、「責任感」という言葉に具体性が出ます。

日本語力はJLPTだけでなく実務経験を書く

職務経歴書にJLPT N1・N2を書くのはもちろん良いですが、それだけで終わらない方がいいです。

たとえば、

  • 日本語での会議参加
  • 日本人顧客との打ち合わせ
  • 仕様書・設計書の作成
  • チャット・メール対応
  • 日本人メンバーへのレビュー

といった実務経験があるなら書いてください。

採用側が知りたいのは、資格名よりも「入社後に日本語で仕事ができるか」です。

転職回数が多い場合は職務経歴書でも一貫性を作る

短期離職や転職回数が多い場合、企業は経歴の流れを気にします。

ただし、職務経歴書で退職理由を長々と説明する必要はありません。

それよりも、各社で何を経験し、次のキャリアにつながっているのかが見えるようにしてください。

面接では退職理由を詳しく聞かれる可能性があるため、事前に整理しておきましょう。

詳しくは、外国人は転職回数が多いと不利?日本企業が短期離職を警戒する理由と伝え方で解説しています。

外国人エンジニア向け職務経歴書の書き方例

プロジェクト:法人向けSaaSの機能開発

期間:2024年1月〜2025年6月

役割:バックエンドエンジニア

チーム:エンジニア6名、PM1名

担当:詳細設計、API実装、単体・結合テスト、コードレビュー

技術:Java、Spring Boot、MySQL、AWS、Docker

業務内容:
顧客管理機能の追加開発を担当。既存APIの調査から設計、実装、テストまで対応。レビュー時の認識ズレを減らすため、仕様確認事項を事前に整理してPMへ共有。

コミュニケーション:
会議、Slack、コードレビューは日本語。必要に応じて英語で海外メンバーとも連携。

この形で書くと、技術だけでなく役割・日本語力・仕事の進め方まで伝えられます。

応募企業ごとに少しだけ調整する

職務経歴書を毎社ゼロから作り直す必要はありません。

ただし、求人で重視されている経験に合わせて、職務要約や自己PRの順番は少し調整した方が通過しやすくなります。

たとえば、AWS経験を重視する求人ならクラウド経験を前に出す。PM候補なら要件定義や調整経験を強調する、といった形です。

採用担当は短時間で書類を確認することも多いため、重要な情報が後ろに埋もれないようにしましょう。

まとめ:職務経歴書は「何をしたか」より「どこまでできるか」を伝える

外国籍の方が日本企業向けの職務経歴書を作るときは、経歴を並べるだけでは不十分です。

何を担当したか、どこまで任せられるか、どう工夫したか、日本語でどの程度仕事ができるか。ここまで具体的に伝えることが大切です。

特にITエンジニアは、技術名だけでなくプロジェクト・担当工程・役割をセットで書きましょう。

外国人エンジニアの転職全体については、外国人エンジニアは日本で転職できる?採用側が見るスキル・日本語力・在留資格も参考にしてください。

志望動機の作り方については、外国人の志望動機はどう作る?日本企業が見ているポイントとNG例・回答例で詳しく解説しています。