転職回数は「挑戦してきた証」
日本と海外で違う「転職回数」への評価
最近、ヨーロッパ出身の方と面談する機会があり、キャリアにおける「転職回数」への価値観の違いを痛感しました。
日本では一般的に「転職回数が多い人=すぐ辞める人?」「専門性が浅いのでは?」といった懸念を持たれがちです。一方で海外では、「自分により合う環境を探して積極的に動いている」「キャリアアップやスキル習得の結果として転職している」と前向きに評価されるケースが多いのです。
面談したヨーロッパ出身の方はこの違いに強い憤りを感じており、「なぜ日本では、挑戦してきた証がマイナスに見られるのか?」と話していました。
実際、データを見ても日本と海外では転職頻度に大きな差があります。日本の平均勤続年数は約12年、アメリカは約4年。終身雇用を前提にした日本と、より良い条件を求めて転職を重ねる欧米文化では、キャリアの考え方そのものが違うのです。
「当たり前」のギャップを意識する
このエピソードは、日本で働く海外出身の方にとって決して珍しいものではありません。日本人にとっては「当然」だと思う職場文化が、海外の方には「理解できない」ケースが多々あるのです。
- 残業の多さ — 定時を過ぎても働くのが当たり前。早く帰る方が気まずい空気すらあります。
- 年功序列の評価 — 実力より勤続年数が重視される。
- 履歴書の空白期間への厳しさ — 少しのブランクでも「何をしていたの?」と聞かれる。
日本人からすると自然な基準でも、海外の方から見れば「なぜそこまで?」と思うもの。文化の違いによる“当たり前のギャップ”をお互いに理解しておくことが大切です。
海外の方向け:ネガティブ印象を払拭するには
日本では「転職回数が多い=長く働かないのでは?」と懸念されがち。だからこそ、事前にその前提を理解し、誤解を払拭する工夫をしておくと良いでしょう。
- 日本の雇用文化を理解する
終身雇用の意識が根強いため、まずは相手の価値観を理解することが第一歩です。 - 職務経歴書で一貫性を示す
「成長のストーリー」を伝えましょう。単なる転職の羅列ではなく、「何を学び、どう成長したか」を整理することが重要です。 - 面接ではポジティブに語る
「前職が嫌だった」ではなく、「新しいスキルを得るために挑戦した」と説明しましょう。転職の目的を前向きに語ることで印象が大きく変わります。
つまり、転職回数そのものではなく、そこで何を得たのかを伝えることが鍵です。
気づいたこと:日本人は頑張りすぎでは?
筆者が感じたのは、「日本人はキャリアにおいて真面目すぎる」ということです。例えば、こんな声をよく聞きます。
- 「仕事が楽しくないけど、最低3年は我慢しないと……」
- 「今辞めたらキャリアが終わる気がする……」
- 「残業しないと周りに申し訳ない……」
でも、よく考えてみてください。仕事は人生の1/2以上の時間を占めます。面白くない仕事を続けるということは、人生の半分を面白くない時間にしてしまうということ。
海外では「仕事=人生を豊かにする手段」という考えが一般的です。合わない仕事を我慢して続けるという発想はあまりありません。「これをやってみたいから転職する」という前向きな理由で動くのが自然なんです。
最後に:転職=逃げではなく、挑戦
もっと日本人も肩の力を抜いてキャリアを考えていいと思います。「やりたいことがあるから転職する!」そんなシンプルな気持ちで動く人が増えれば、日本の働き方ももっと明るくなるはずです。
転職は逃げではありません。挑戦です。
自分の人生の主人公は、ほかでもないあなた自身です。